2000年5月に買ったCD

Deuces,"T's",Roadsters & Drums / Hal Blain & The Young Cougars
Sundazed (SC 11101)
Deuces,"T's",Roadsters & Drums / Hal Blain & The Young Cougars  63年にハル・ブレインの名前を冠して出されたインスト・アルバム。プロデューサーがリー・ヘイズルウッド、アレンジャーがデビッド・ゲイツ。ギターがトミー・テデスコ、ビリー・ストレンジ、グレン・キャンベル、キャロル・ケイ(1曲目は彼女がベースを弾いている気もします)、ハワード・ロバーツ、エレキ・ベースがレイ・ポールマン、アコベがジェームズ・ボンド、キーボードがラッセル・ブリッグズ(レオン・ラッセルのこと)、パーカッションがフランク・キャップなどなど、クルー総出演であります。というか、メンバーをちょこっとずついじると、マーケッツになり、T−ボーンズになり、チャレンジャーズになり、アバランシェーズになり、ルーターズになり、挙げ句の果てはベンチャーズになってしまう方々の演奏なだけに、もう、こっちも聴き慣れたものです。とはいえ、サンデイズドに感謝、感謝の1枚です。
The Young Cougarsbonus
01 Challenger II13 Hawaii 1963
02 Green Monster14 East Side Story
03 Nashville Coupe15 (Dance With The) Surfin' Band
04 Mr. Eliminator16 The Drummer Plays For Me
05 Pop The Chute17 Bulldog Drummin'
06 Deuces,"T's",Roadsters & Drums18 Mutiny On The Bongos
07 Gear Change19 The Dip
08 The Phantom Driver20 How Come I Love You So Much
09 Gera Stripper21 Git It
10 Big "T"22 Phillzie's Friend
11 The Trap
12 Drum Brakes
 たしかに、ハル先生の名前をバンド名に付けているだけに、随所に彼のドラムがフィーチャーされてはいるのですが、そうでなくても、いつも派手なドラムを聴き慣れているので、僕にとってはそれがそんなに意味のあることのようには思えないんですが…、いや、これは文句をつけているんじゃありません。
 それよりも、ファズをかけた2本のギターがイカして(死語)います。トミー&ビリーのコンビが、ベンチャーズ名義の「2000パウンドビー」でやったことをここで活用し、さらに64年にアバランシェーズの「Ski Surfin'」というアルバムで洗練させているという気がします。余談ですが、このアバランシェーズはトミー、ビリー、ハル、デビッド・ゲイツ、アル・デロリ等の人たちが作ったインストものです。演奏にやや荒いところもある(やっつけ仕事(^^ゞ)ものの、大変素晴らしいインスト・アルバムです。サンデイズドには次にはこれをCD化してくれと、メールを送っておきました(そんなことをしている暇はないはずなんですが)。ここで彼らは「ジングル・ベル」に「What'd I Say」のリフを使うというアイデアを使用して、これが翌年のベンチャーズのクリスマス・アルバムになるわけです。うーん、なんか糸がつながってきた感じ。
 余計な方に話がそれてしまいました。どの曲も、車の爆音が今となってはややうるさい感じもしますが、ホット・ロッドだもん仕方がないわなあ。4曲目の「Mr. Eliminator」マイナーの曲で、オルガンをフィーチャー、ハル先生は16分に得意の独特のアクセントつけて(わざわざ、ソロをとらないでも、こういうのを叩いてくれているだけで僕は十分でございます)いて、テルスターや「In Space」アルバムを思い出す曲で、僕は別なアナログ・コンピで聴いて以来大好きな曲です。
 ボーナスが10曲も付いているのですが、バックに女性コーラスが付く感じと言い、ギターの音と言い、アル・ケイシーの「Surfin' Hootenany」に大変よく似たサウンドです。こちらもリー・ヘイズルウッドのプロデュースなので、やっぱり似てくるのか?しかし、20曲目は擬似ライブの結構泥臭いサウンドで、粘っこいブルース・ハープと一緒に聴くと、ハル先生のドラムの音にまでいつもの切れ味と違うねちっこさを感じます。このコンピに入ってなかったら、ドラムが彼だとは気が付かなかったと思います。続く21曲目も同じで、こっちのドラムスタイルは、師匠のアール・パーマーみたいな跳ねっぷりをしています。この道も深いものがある(^_^;)
 22曲目は、コメディアンでもある(^_-)ハル先生の語りのはいる作品で。「Boh-Doom!」の悪夢を思い出し、頭を抱えてしまいました。 VQファイルはお気に入りの「Mr. Eliminator」でございます。


Volcanic Action! / The Belairs
Sundazed (SC 11100)
Volcanic Action! / The Belairs  60年代はじめに活動していた、サーフ・インストグループです。3曲目の「Mr. Moto」はその後いろんなグループがカバーしているのでご存じの方も多いだろう、サーフの定番の一つですね。このバンドの特徴はドラム・サックス・ピアノのギター2本という構成で、ベースがいないこと。だからといって低音がないためにスカスカの迫力のない音ではありません。むしろ、すっきりとまとまった感じさえ受けるのが不思議なところです。もっとも、ベースの穴はリズム・ギターがコード弾きの際に必ずダウンストロークで6弦を鳴らすと言うことで補ってはいます。
01 Volcanioc Action12 Bulldog
02 Ramrod13 Movin' & Groovin'
03 Mr. Moto14 Runaway
04 Vampire15 Ventures' Medley
05 Peter Pistol16 Reveille Rock
06 Let's Go Trippin'17 Kamikazee
07 Wild One18 Little Brown Jug
08 Panic Button19 Three Blind Christmas Mice
09 Yep20 Volcanic Action (alt. take)
10 Bedlam21 Rampage
11 Chiflado22 Squirt
 この当時メンバーはまだ高校生に毛が生えた程度の年齢であるために、決して演奏は上手くありません。ドラムスはしょっちゅうリズムを狂わせるし、ギターも怪しくなったりします。それどころか、5人全員のリズムが違っていたりして、一体どうなるんだ?!と無事に終わるのか心配になる曲すらあるのですが、何故か悪い印象を持たないのです。特に僕はポール・ジョンソンの弾くトワンギーながらも、ユーロインストにつながりそうなメロディアスできれいな音のするギターが好きなのです。12曲目の「Bulldog」はベンチャーズで有名になった曲ですが、日本で有名なライブのバージョンではなくオリジナルのファイヤーボールズに近い演奏でギター2本、ドラムスの3にんで頑張っています。ここでわざわざベンチャーズの名前を出したのは、どうもリーダー格のリチャード・デルビィはベンチャーズの1枚目のドラムスの人がお気に入りだったんじゃないだろうかと思えるからです。「Walk Don't Run」その他で聴ける、4拍目に力を込めて、スネアの端っこを「カン」と叩くあのやり方をまねているという気がします。15曲目に「木の葉の子守歌〜WDR〜パーフィディア」のメドレーをやっていますが、これは後にチャレンジャーズを組んだ時にも演奏しています。たぶん、かなり好きだったんですよ。
 ギターのポール・ジョンソンはその後いくつかのサーフ系バンドでギターを弾いた後、セッションで活動したりソロ活動をしたりで息長く活動します。なんか、現在はサーフ系のライターをしているとかで、調べてみなければね。もう一人のギター、エディーバートランドは、エディ&ザ・ショウメンでギターを弾きます。「Rare Surf」の1枚目には2人のこの間の活動が収録されています。ドラムスのリチャード・デルビーはチャレンジャーズを結成した後、社長として叩かないドラマーとなりプロデュース活動をするわけです。残りの2人については残念ながらどうなったのかは全く知りません。
 まあ、この1枚はどなたにでも勧められるものではないとは思います。しかし、あなたが、ガレージ・サーフはちょっと嫌だけど、サーフ物は好きだ。下手な演奏聴いても腹が立たないぞ、というタイプなら(そんな人いるか?)お聴きになっても良いのではないでしょうか。サーフの幕を開けてくれた貴重なバンドの一つには違いないのですから。というわけで、お試しVQはポール・ジョンソンが弾く「Chiflado」をどうぞ。


Kooper Session / Al Kooper
Sony Records (SRCS 6195)
Kooper Session / Al Kooper  69年、アル・クーパーがプロデューサーとして乗りまくっていた時に出したアルバム。サブタイトルに「Super Session Vol.2」と謳っているように、マイケル・ブルームフィールド、スティーブン・スティルスと組んで出した名アルバムの続編のつもりだったようですね。「Vol. 1」は、おなじくマイケルと組んだ2枚組「Live Adventure(フィルモアの奇蹟)」とともに、「ジャム・セッション」ブームを巻き起こし、当時2つ以上バンドが集まったら、絶対に「ジャムった」ものです。私なんか、ボーカルだから、「はいどうぞ」と、順番を渡されると、仕方がないので「Hound Dog」の歌詞をスローにして、足りない隙間に「ウビデュビ、ウワォ」などと、とてもスキャットなどとは呼べない叫び声をあげていました。そういえば、最近の高校生はそういうことをしないなぁ。どうした?ほとばしるものが足りないのか。俺たちがバカだっただけか(^^ゞ
01 Burn My Body
02 Double Or Nothing
03 One Room Country Shack
04 Lookin' For A Home
05 12:15 Slow Goonbash Blues
06 Shuggie's Old Time dee-di-lee-di-leet-deet Slide Boogie
07 Shuggie's Shuffle
 閑話休題、それで、このアルバムの呼び物は当時若干15才のギタリスト、シュギー・オーティス君をフィーチャーしたと言うことだったのです。いやー、驚きましたね。マイケル・ブルームフィールドの次が15才ですからねえ。僕らはビビって聴いたものでした。たしかに、繰り出す音色はとても中学生とは思えない音です。しかし、15才ということでビビったり、感心したりはしたものの、友人から借りたものを数回聴くと、どうもおもしろくなく、このアルバムは記憶の彼方に消えていったのです。そんなわけで、数年前にアル・クーパーのアルバムがCD化された時も、これだけは買ってなかったのでした。しかし、最近の復活3枚組や、ブルース・プロジェクト時代も含めて、一応彼のCDはそろえたのに、これ1枚だけハミゴになっているのもかわいそうなので、買っておくことにしたのです。
 1〜4曲目が「The Songs」と名付けられたA面で、これはややきっちりとプロデュースされた曲が並んでいます。特に1曲目の「Burn My Body」は疾走するリズムと、勢いに乗ったゴスペル・コーラスが、アルの頼りない(そこが僕は好きなんですがね)ボーカルと溶けあって、なかなかの名曲。彼が自分でセレクトしたベストにも収録されていました。ギターは途中で少しソロをとるものの、そう目立ちません。しかし、それ以降、彼のギターがフィーチャされるとやっぱり年齢が出てしまっているのですね。確かに音はなかなかのものです。指も早く動き、フレーズもきっちりしています。しかし、演奏に「こく」がないんです。もっと具体的に言うと、音数を出し過ぎ。溜めるところがなさ過ぎるのです。これは「The Blues」とタイトルが付けられたB面のジャムになるともっとはっきりします。いくらノリノリのプロデューサーといえども、年齢から来る経験不足は何ともしがたいですね。


With A Little Help From My Friends / Steve Cropper
STAX (SCD 8555-2)
With A Little Help From My Friends / Steve Cropper  「Kooper Session」と同じく、69年に出されたスティーブ・クロッパーのソロ1枚目です。正直言うと、CDショップでこれを見つけるまで、存在は知っていたものの(彼の2枚目のソロ「Playin' My Thang」のライナーに書いてあった)聴いたことがありませんでした。前編、彼のテレキャスをフィーチャーしたインストアルバムです。クレジットはないのですがリズムセクションはMG’sの二人だと思います。これが、現在のジャストなビートとは全然違う、ぶれはあるが実に気持ちのいいリズムであります。これに乗っかって、ホーンセクションが鳴っております。クロッパー氏のギターは基本的には粘っこくフレーズを決めてゆくのですが、その粘っこさ度が曲によって微妙に違うところが味噌ですなあ。R&Bあり、もっとブルーズっぽい演奏あり、4ビートにのったジャージーなプレイあり、濃ゆいながらも濃淡がきっちりしています。特に1曲目の「Crop Dustin'」は69年にしてすでにフュージョンの到来を予感したみたいな都会的な香りがします。
01 Crop Dustin'07 Oh, Pretty Woman
02 Land of 1000 Dances08 I'd Rather Drink Muddy Water
03 99 1/209 The Way I Feel Tonight
04 Boo-Ga-Loo Down Broadway10 In the Midnight Hour
05 Funky Broadway11 Rattlesnake
06 With a Little Help From My Friends
 アルバムタイトルになった「With A Little...」はオリジナルのビートルズバージョンではなく、ジョー・コッカー&ザ・グリースバンドのアレンジでやっています。出だしの歪んだギター、Aメロのやや太めのナチュラルなトーンバックでかき鳴らすギターといろんな音が楽しめます。難点は思わず一緒に歌ってしまい、肩と首筋が凝ること(それは、ジョー・コッカーをまねている俺の責任だ)。
 どれかをVQにしようと、さんざん迷いました。タイトル曲以外にも、「ダンス天国」や「Funky Broadway」など、良い曲がいっぱいあるんです。でも、たいていの曲が5分くらいあって、ちょっとファイルがでかくなりすぎてやめにしました。それで選んだのが「Oh Pretty Woman」。ただし、ロイ・オービンソンのではなくて、アルバート・キングのブルーズです。なかなかヘビーなギターです。この曲が終わって、フォービートに乗った軽快なギターワークが流れるコントラストが何度聞いても格好いいです


Rock Of Ages / The Band
Capitol (72435-30181-2-2)
Rock Of Ages / The Band  最初から、きっぱりと言い切っておきますが、これはもう買うしかないですよ。2枚組で1750円でした。ザ・バンドのベスト盤はいくつかあるけれど、そんなもの買うならこれを買うことをお勧めしますね。元々のアナログが2枚組だったので、CDの2枚組にも何の違和感もなく、値段が安いことに喜びつつ購入。帰宅して封を破って中身を見てびっくり。アナログの2枚組の分はCD1にそっくり入っていて、CD2はぜーんぶボーナス・トラック。ライナーによると、71年の12月に行われた4日間のライブで演奏された曲はほぼすべて発表されています。私の好きな「Strawberry Wine」だけがはずれているのが残念ですが、とにかく、1枚目「Big Pink」から4枚目「Cahoots」までの主立った曲が収録されました。これは、極論すればザ・バンドはそこまででお仕舞いと考えている僕みたいな人間にとってはすでに必要十分です。さらに、考えようによっては彼らのルーツをたどった作品集「Moondog Matinee」に入ったとしてもおかしくないような「Don't Do It」や「I Don't Want To Hang Up My Rock 'N Roll Shoes」まであるし、さらにはボーナスの後半4曲はディランとのライブで、「Don't Ya Tell Henry」も入っているので、「Basement Tapes」からさらに「Before The Flood」までカバーしてると思ってもかまわん訳で、これはお得度140%くらいあります。
Disc 1Disc 2
01 Introduction01 Loving You Is Sweeter Than Ever
02 Don't Do It02 I Shall Be Released
03 King Harvest(Has Surely Come)03 Up On Cripple Creek
04 Caledonia Mission04 The Rumor
05 Get Up Jake05 Rockin' Chair
06 The W.S. Walcot Medicine Show06 Time To Kill
07 Stage Frightwith Bob Dylan
08 The Night They Drove Old Dexie Down07 Down In The Flood
09 Across The Great Divide08 When I Paint My Masterpiece
10 This Wheels On Fire09 Don't Ya Tell Henry
11 Rag Mama Rag10 Like A Rolling Stone
12 The Weight
13 The Shape I'm In
14 Unfaithful Servant
15 Life Is A Carnival
16 The Genetic Methord
17 Chest Fever
18 (I Don't Want To)Hang Up My Rock And Roll Shoes
 1曲目、わずかにホール・エコーがかけられたレボンのスネア1発で幕を開ける「Don't Do It」。そのスネアだけで、ライブの持つ臨場感がひしひしと伝わってきます。その後は逃げてゆく女をなだめ、すかし、すがるレボンと、自棄になったように叫ぶリックの掛け合いのすばらしさよ。オリジナルではないのだけれど、きっとこっちが勝ってるさ(マービン・ゲイのは聴いたことないんだけど(^^ゞ)。そっかっらさきは、「(ザ・バンドって)ライブを聴いても、レコードと同じじゃないか」というキース・リチャードの感想が有名な、バンドの演奏です。違っているのは(しかも良い方に)、こちらにはアラン・トゥーサンのアレンジによるホーンがもと歌にはない風味を付けてくれていること。
 全体を通して唯一の不満は、きわめて個人的なことだが、私の大好きなリチャード・マニュエルがリード・ボーカルをとる曲を持ってやって欲しいことだが、それとても、ボーナスとして「I Sall Be Released」が入っているのでOK。なにせ、「The Last Walt」では、出演者によるシング・アウト状態になってしまい。「こらっ、そんなに歌っちゃ、リチャードの声が聞こえんじゃんか…あらら、終わってしもうた」てな気分だったので、ありがたいことです。
 先ほども書いたように、ボーナスの最後の4曲はディランとの競演。従って、「When I Paint My Masterpiece」のボーカルも、ディラン。レボンで聴きたかったので、仕方なく、演奏に合わせて自分で歌ってやった。石つぶてが飛ぶことをおそれず、お前は音楽がわかってないと言われることもおそれずに書くけれど、僕はディランのボーカルはあまり好きじゃないんです。スマン。でも、最後の「Like A Rolling Stone」はディラン+バンドの演奏では、「Self Portrait」と「Before The Flood」の2つのライブバージョンを持っているけれど、ボーカル的にはこれが一番良いような気がする。「Before The Flood」のエネルギッシュなのも良いけどね(と、ちょいと、こびを売る私)。
 このCDのも一つ良いところは、ライナーがなかなか良いことです。英文なので読み切るまで40分くらいかかったけれど、60年代終わりのライブの変化からはじまり、各曲についての補足まで、冷静で、分析的、インタビューやエピソードも取り混ぜてと言う豊かな内容で、久々に良いライナーを読んだという気がしました。
 ザ・バンドをはじめて聴くんだという人はこれから買えばヨロシ。何度も値段を書くけれど、タワーで買って1750円じゃ。値札をつけまちごうたんとちゃうか(^。^)


In The Wind / Peter Paul And Mary
Warner Bros. (9 26224-2)
In The Wind / Peter Paul And Mary  1963年に発表されたPPM3枚目のアルバム。マネージャーが同じだったためか、ディランの曲を取り上げたためか、ライナーがわりにディランがPPMに捧げる詩を書いています。ディランがはじめてソロのポールや、ピーター&マリーを聴いたときの思い出などをつづっているのです。これがまた、字が小さい上に、話し言葉をそのまま綴りにしたもので、読みにくい。至る所に「t」と書いてあって、誤植かと思って読んでゆくと「to」のことだったりします。まあ、そんな事はどうでもよくて、詩なので全部の意味がわかったわけではなく、何度も読み返すほどの気力はないので、適当な事を言ってしまいますが、ディランは確かにPPMを古くから知っていて、彼らの歌が好きだったと言う事は少なくともよくわかります。
01 Very Last Day07 Stewball
02 Hush-A-Bye08 All My Trials
03 Long Chain On09 Don't Think Twice, It's All Right
04 Rocky Road10 Freight Train
05 Tell It On the Mountain11 Quit Your Low Down Ways
06 Polly Von12 Blowin' In the Wind
 さて、このアルバムを聴いて思った事ですが、やはり彼らの音楽はいつまで経っても美しさと若さを失っていないと言う事です。どこかのFM曲で、1週間に1回30分でいいから、これからも流し続けるべき音楽ですね。今はやりの「癒し」というのとは全然別なところから彼らの音楽は僕らの心に入り、なぐさめてくれる気がします。テーマは結構重かったりする曲もあるのですが、そういった曲も一種のカタストロフを感じさせてくれます。二つ目に、このアルバムにはライブで取り上げ続けたり、さかんにオンエアーされて有名になった曲もたくさん入っていて、それはたしかによい曲なのですが、それ以外で、僕がはじめて聴いた曲、例えば「Long Chain On」、「Rocky Road」「Polly Von」などという曲が、どれもはっとするようなものを持っているのです。それは何気ないギターのストロークであったり、ハーモニーであったり、リズムの変化であったりと様々ですが、彼らの充実ぶりがよくわかります。
 1曲目、「The Very Last Day」の「ジャジャジャジャーン」と弾く印象的なギター。「Don't Think Twice」のポールの低音とスリー・フィンガー。「All My Trials」の洗練されたハモ。考えてみれば、60年代中頃の日本の若者が必死になってコピーしたのは、ベンチャーズだけじゃなかったんですよね。