2001年12月に買ったCD

We've Only Just Begun / Roger Nichols & Paul Williams
Universal (UiCY-1070)
We've Only Just Begun / Roger Nichols & Paul Williams  ソフト・ロックファンの間で話題になっていたCD。ポール・ウイリアムスの曲を売り込むために音楽出版社などに送ったデモ音源なのだそうで、このようにCD化されるまでは、アナログは幻の盤として珍重されていたそうです。
01 After All07 Someday Man
02 So Many People08 Let Me Be The One
03 Somebody Waiting09 When Love Is Near
04 Time10 Do You Really Have A Heart
05 The Drifter11 I Keep On Loving You
06 We've Only Just Begun12 Out In The Country
 で、そんな事情はつゆ知らず、購入した私ですが、これは結構いけますです。何がいけるかというと、収録されている曲です。曲自体に大変魅力があるんです。と、わざわざ言う事もない名曲がいっぱいありますが。本物の玉は磨かなくても玉なんだなあ…。という感想を持つ私です。デモなのですが、ギターかピアノの弾き語りだけというような、シンプルな構成ではありません。基本的にはポール氏が歌いロジャー氏がピアノを弾くのですが、それにベースが入り、曲によってドラムが入り、オルガンがあったりします。豪華なストリングのアレンジはないものの、丁寧な作りなので、それだけで十分曲を堪能できます(曲、曲と書いているのは、実は僕はポール氏のボーカルはあまり好きではない、というのを間接話法で語っているわけでありますと、よけいな一言を言う私)。曲の良さを具体的に言うとサビの展開の感覚が、ちょっと余人と違うという点です。うーん、ちっとも具体的でない(^。^)。
 ほんとは、これだけで終わるはずだったのですが、ライナーを中途半端に読んで(近頃、老眼がますます酷くて、コホン・コホン(´。`)、「ベースも全部僕が弾いたんだよ」というロジャー氏のインタビューだけを読んでいた私は、大変混乱しました。何でかというと、ベースがうますぎる。正確に言うと、華麗なベースで引っ張ってる曲がいくつもある。さらに、「The Drifter」や「Someday Man」などのドラムは下手くそなハル先生のようです。で、ピックを使ったベースはキャロルさんでないか?どうなってるんだ???と、頭の周りをいくつもの「?」が回り始めたのです。
 一昨日(これホント)、長門さんのライナーを全部読んで、疑問が解けました。それによると、ハル&ジョーが参加した曲があるとの事。「下手くそなハル」はハル先生ご本人ですなあ。下手くそと言ったのはフィルのタイミングがずれたりするところが少しあるからで、全般には見事なノリという意味。デモと言う事で、軽く流したのをそのまま録音したのでしょう。華麗なベースと思われるのは全部、ジョー・オズボーン氏ですね。ほんで、ピックを使ったベースはたぶんキャロルさんです。いや、別にジョー氏がピックを使ったというのならそれでもいいんですが、全部俺だというのは言い過ぎですぜ、ロジャー先生。
 と、よけいな事を書いてしましましたが、30分ほどの心地よい時間を約束してくれるCDです。こういう系統がお好きなら、損はしません。ただし、ロジャ・ニコだがハモはありません(また、よけいな事を言った)。


Boss Drag / Boss Drag At The Beach / T-Bones
ATM (ATM 3832-AH)
Boss Drag / Boss Drag At The Beach / T-Bones  こちらはT−ボーンズの1枚目と2枚目のアルバム+ボーナス5曲が収録されています。アルバムはそれぞれ63年と64年に出されたものです。日本ではT−ボーンズといえば「真っ赤な太陽(Sippin' 'N Chippin')」、や「ビートでOK(No Matter What Shape)」がヒットしたので有名です。これらのヒット曲はチェレスタや、オルガン、女性コーラス等を配した大変カラフルなサウンドですが、そのイメージでこのCDを聴くとびっくりすると思います。僕も昔そうだったから(^^ゞ逆に、あのヒット曲を聴いて、なぜバンド名が「T−ボーン」なのか、「じゃあ俺はテンダーロインだ。狂牛病なんか怖くないぞ」と思っている人なら、この2枚のアルバムを聴くと納得します。僕がそうだったから(ええ加減にしなさい(^。^)
Boss DragBoss Drag At The Beach
01 Rail Vette13 Haulin' Henry
02 Little Deuce Coupe14 Pearlin'
03 Big Daddy Stocker15 White Water Wipe-Out
04 Torque Rod16 Hot Rod U.S.A.
05 Drag City17 Chopped Deuce
06 Scorchin'18 Competition Coupe
07 Draggin'19 Takin' Gas
08 Shut Down20 Five Over
09 Boss Drag21 High Boy Hauler
10 Revin' Buggy22 Boss Woody
11 Hey, Little Cobra23 Bucket Seat Beauty #1
12 Six Banger24 Thunder Road
bonus
25 Underwater
26 No Matter What Shape
27 Shapin' Things Up
28 Rumblin' Walk
29 Pick A T-Bone
30 Sound Of Beauty
 タイトルを見ておわかりのように、ホット・ロッドです。「T−ボーン」はステーキじゃなくて、「T型フォード」のことなんです。2枚ともデイブ・ペルがプロデュース。アレンジはペリー・ボトキンJr。そして今回のリイシューで明らかになったのは、演奏しているのはギターがトミー・テデスコ、グレン・キャンベル、アーバン・コールマン。E・ベースがレイ・ポールマン、A・ベースにライル・リッツ。ドラムはハル・ブレインこれに1枚目ではスティーブ・ダグラスとプラス・ジョンソンの2本のサックスが吠えるという、おなじみメンバー総出演だったということ。コールマンという人は初めて聞きましたが、調べてみるとジャズ・ギタリストで、ティファナ・ブラスのセッションなどに参加しているそうです。ま、ATMに書いてもらわなくてもメンバーは想像がついていました。間違って他のはサイドがジェリー・コールじゃないかと思っていたところだけでした。これは自慢してるんじゃなくて、すごくわかりやすいからです。
 中身に入りましょう。1枚目は2本のサックスが中心となったインストで、ライル・リッツがスタンダップ・ベースを弾く曲が多く、エレキ・インストが好きな僕としては少し古くさく、物足りなく感じるところがあります。それにハルのドラムもいまいち「切れ」がない感じがして、最初は別人がたたいているのかと思っていました。
 これに対して2枚目の「Boss Drag At The Beach」は、大エレキ・インスト・アルバムとなっています。構成はどの曲もほぼ同じで、トミー巨匠がメロディというか、ボーカルの部分を弾きます。グレンはコード弾きかリフを弾いていて、間奏部分で、グイッと前へ出てきて、すんごい突っ込みのインプロビゼーションを披露します。よーく聴いているとと、グレンがリードを取る瞬間、ギターのスイッチを変えたり、ボリュームをさっと上げるのがわかって、ゾクゾクします。「いったるでー」という呼吸が感じられるのです。また、目立たないようですが、アーバン・コールマンの弾くリズム・ギターは、ギターインストにおけるリズムギターのお手本とでも言うべき演奏で、どのストロークもピシッ、ピシッと決まっていて、全くだれない。このギターが耳につきだすと、そればっかり聴いてしまうくらいです。また、2枚目からはキーボードが入り、後のT−ボーンズのイメージに近いカラフルさも見られるようになります。
 ギター・インスト好きなら、是非聴いていただきたい1枚です。そして。気がついていただきたいのは、このバンドは決して「ベンチャーズの弟バンド」ではないという事です。後の「ハミルトン・ジョー・フランク&レイノルズ」になるメンバーは、ツアー用のメンバーにすぎなかったのでしょう。この当時(62〜64年頃)、いろいろな衣装をまとったインスト・バンドが西海岸から出てきます。サーフのマーケッツ、応援団のルーターズ、スキーのアバランシェズ、ボートレースのホーネッツ等々です。どのバンド名でも演奏者はほぼ同じ。で、シングルなどが当たると、ツアー用のバンドが無名の若者たちで組まれるという仕組みになっていたのだと思います。今回、遅くなりましたが、いつものようにアルバムからのVQを1曲(これは、楽しんでね)。さらに、参考までにルーターズのメンバーだったとされている、スコット・ウオーカー&ジョン・ウオーカー(後に渡英しウオーカー・ブラザーズとなる)が在籍したバンドのとんでもない演奏をUPします。聴き比べてください。そしたら納得できると思います。おそらくツアー・バンドは(ハミルトン兄弟も含め)顔で選んだんだと思います。そういえばVの付くバンドの二人も、結構男前だったような。これ以上は言っちゃあいけない(^^ゞ


Surfin' And Stompin' / The Marketts
ATM (ATM 3830-AH)
Surfin' And Stompin' / The Marketts  内容の濃いサーフ系のリイシューを続けているドイツのATMから、初期のマーケッツが復刻されました。手に入れたのは日本のキャプテン・トリップ・レコードのWEBショップからで、12月の段階で、全品10%オフ、しかも送料無料というやけくそキャンペーンを実施中でした。興味がある方はこの会社がつぶれないうちに(^^ゞ、買っといたほうがいいですよ。ちなみにCDに値段は定価2300円です。
The Surfin' Scene15 Beach Bum
01 Surfer's Stomp16 Sweet Potatoes
02 Balboa Blue17 California Summer
03 Survival Stomp18 Groovin' Time
04 Let's Go Trippin'Sun Power
05 Stompede19 Sun Power
06 The Bristol Stomp20 The House Of The Rising Sun
07 Stompin' At The Savoy21 San Remo Sunset
08 Surfin'22 Sunshine Superman
09 Stomp, Look And Listen23 Mexican Sunset
10 If You Gotta Make A Fool Of Somebody24 We'll Sing In The Sunshine
11 Here Comes The Ho-Dads25 Summer Sunset
12 Stompin' Room Only26 Sunshine Girl
27 California Sun
singles28 You Are My Sunshine
13 Start29 Canadian Sunset (Version #2)
14 Canadian Sunset (Version #1)30 Come To The Sunshine
 CDの内容ですが、1〜12曲目が1枚目のLP「The Surfin' Scene」、19〜30が67年に出た4枚目の「Sun Power」、13〜18曲目はシングルを集めたという、力の入った内容になっています。力が入ってと言えば、この会社のリイシューはオーストラリアのサーフ研究家、スティーブン・P・マクパーランド氏の丁寧な解説がたっぷり付いているのですが、今回もジョー・サラシーノへのインタビューなど、この解説だけでも値打ちがあるという内容となっています。
 さて、中身の話ですが、「The Surfin' Scene」の方は有名なのでご存じの方も多いでしょうが、リバーブがガリガリというタイプのサーフ音楽ではなく、スティーブ・ダグラスのサックスをメインにした、海浜リゾート音楽という感じ。私は1曲目、2曲目などは夏になるとしょっちゅう流しています。アル・パーマー師匠のたたき出す微妙に跳ねたビートが独特の味を出しています。4曲目はトミー・テデスコ氏のテレキャスがかなでる「Let's Go Trippin'」。ディック・デイルと比べるヨロシ。
 全般に、セッション・メンが自分たちの大人の味とくつろぎを素直に出したという感じがして、私は大変好きな1枚です。11曲目では、みんなのかけ声が聞けるし。
 マーケッツはこの後「Out Of Limits」、「Batman」の2枚を発表しています。これはすでにサンデイズドでリイシューされているし、アルバム自体も大変有名なものですが、後半の「Sun Power」はその後に出されたあまり知られていないアルバムです。ちょっと趣向があるのですが、その趣向がはずれて、見向きもされなかったんでしょう(^^ゞ
 まず、タイトルを見てお気付きのように、どの曲名にも「太陽」の文字が入っています。これを名付けて「ソーラー・ミュージック」と呼ぶ。環境問題の先取りですな(^。^)
 しかし、ホントの「趣向」というのはそんなところにはないのです。このアルバム全曲ともリードを取っている楽器は「6絃ベース」なんです。おそらくプロデューサーに名前が付いているレイ・ポールマン氏が弾いているのであろう、ダンエレクトリックにトレモロを掛けたのがビョンビョンと響いているのです。「朝日の当たる家」や「You Are My Sunshine」などはかなり低いところまで使っているので、ヘッドフォンをしながら聴いていると、頭がぐるぐるしてきます。一般受けはするはずがないと断言しておきましょう。しかし私は好き(¨;)
 取り上げている曲もソフトロック・ファンにはおなじみの「Sunshine Girl」や「Come To The Sunshine」があったり、懐かしきドノバンの「Sunshine Superman」があったりとなかなか楽しい選曲だし、ダノとブラスがうまくかみ合ったアレンジといい、ギター・インストが好きな方にはおすすめできるものだと思います。
 中間部に配置されたシングル盤ははじめて聴くものが多くて、ちまちまと集めていたのでは大変手間とお金がかかっただろうと、感謝するものです。ティファナブラスのようなラッパの聞ける17曲目、タイトルを見ていて、実際に音を聞いたらラスカルズの曲やんけと思う18曲目などが印象に残りました。
 クリアでしっかりした音質といい、持っていて損のないCDだと申せましょう。チャンチャン。